黒猫の雑談部屋

日々の雑多な思いをつづります。


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【読書】【その2】日本企業にいま大切なこと

アメリカ型はもはや古い!と帯に書かれた本書。非アメリカ型とはいかなるものか、その仮説を持ちながら読み進めた。


目次を要約すると、
第一部 日本企業の持つ現場力を活かせ
第二部 日本企業の持つ総合力を活かせ
第三部 スピード感を磨け 
という感じである。

なんとなく一読すると納得感はあったが、気になったのは
・現場力と総合力は同じベクトルにのるのか、
・スピード感は日本の経営に圧倒的に欠けているが、そこをどうリカバリするのか
という2点。

1点目については、そもそも現場力とは何か、という部分が特に気になった。
読み進めていくうちに、現場の細かい気づきの蓄積や、それを利益につなげるトヨタ式のかいぜんなどが例として挙げられていた。システムかアナログかという軸で考えたとき、本書の述べるところの現場力はどうもアナログな部分であるように感じた。もちろんシステム化、標準化を否定はしていないものの、その先にある職人技的な部分を大事にしろと聞こえる。

この部分がどうも総合力とは逆のベクトルにあるように思えたまま、読み終えてしまった。このすりあわせができればもう少し納得感があったのだが。。

2点目のスピード感を磨く方法については残念ながら予想された範囲を出なかった。
優秀なミドルの育成による権限移譲で、経営のスピード感UP。結論はこう書かれているように読み取れたが、具体的にどうやってそれを達成するのかが企業の悩みであって、未だ解決されない日本企業病の解決策のはずだ。

元気のあるミドルを育成するためにどうするか、という部分が
・現場感を大事に
・ノリのよさ/遊び心を大事に
などではかなり論理としてあまりにお粗末。
それができない日本企業文化と、それではこの先ないという危機感のはざまでいかにこの局面を打開していくか。
結局この解はまだ見えないか、と思ってしまった。